テオ・ヤンセン展に行ってきた

  • テオ・ヤンセン展に行ってきた。展示はアートよりというより工学的な内容だった。
  • テオ・ヤンセン氏の発明はテオ・ヤンセン機構に収斂されると言って良いだろう。全てはそこが中心だ。もっと色々な動物の動きの模写があるのかと思ってたけどその期待は裏切られたか。
  • 動物は車輪を持たずに脚を持つ。人間は移動する道具を作るときに脚を使わず車輪を使った。ロボット工学等で機械は脚を持つようになった。これは一番、シンプルな脚の機械だ。その意味では偉大な発明だ。
  • 脚を持つ機械を見ていたら車輪を持つ生命を想定した石原藤夫氏の傑作SF「ハイウェイ惑星」を思い出した。
  • あと、感じたのはこれが工学とアートの境界線にあるという事実。正直工学としては、利用可能な技術としてはほぼ無価値だ。観賞価値はあっても利用価値が無い。
  • 例えばテオ・ヤンセン氏が自動車メーカーに所属しテオ・ヤンセン機構を研究し続けたとしたら。それはあまり日の目をみることはなかっただろう。アートという枠組みが与えられたからこそテオ・ヤンセン機構は価値を持った。
  • テオ・ヤンセン氏はこれをもって生命だと定義付けたいのだろう。生命=システム論にかこつけた能書きが展示内にあった。それ言ったら多くの機械は生命だろ。変な理論にかこつけて自らを権威付けしようとする。そこんところもなんかアートっぽい。成功していればかっこいいけどあんまり成功してない。オートポイエーシスっぽいところを組み込まないと生命とは言いづらいのだ。
  • 風車で動くテオ・ヤンセンおもちゃがあってそれが一番面白かったかも。おもちゃとしての可能性が一番あるんじゃないか。

ニンテンドー3DSの体験会に行ってきた

  • 3D感の感想としては予想通り程度だった。それ以上でも以下でもない。
  • 3D化によってゲームのインターフェースがどれだけ変わるかってのが肝心だと思う。例えばアクションゲームとかで3Dをつかって「当たり判定」がシビアになってしまうとか。そんな方向だとわかりやすさから離れていくだろう。
  • 画面エフェクトの向上だけに3D使われるのは勿体無いかも。
  • 元々、3Dゲームとして作られたゲーム。バイオハザードとかモンハンとか。そういうのは3D化することにより扱いやすさが向上する筈だ。
  • 数年前、2000年代初頭or前半頃だったと思うがゲームのインターフェースには地味な革命があった。加速度センサーの採用。携帯電話やiphoneに採用されたし、wiips3もほぼ同時に取り入れた。今ではゲームにとってごく当たり前の要素になってる。これはそのセンサーデバイスが安くなったってのもあるけど据え置きゲーム機に置いては本体とコントローラーがbluetoothで通信できるようになったのも大きい。このように革命は新しいデバイスの登場や低価格化によってもたらされる。
  • 3DSも液晶の低価格化、3Dを支える技術の低価格化によるもののだ。
  • 単純に画像の3D化ってだけじゃなくて前述の加速度センサーとの組み合わせやキネクトとの組み合わせとかが考えられる。特にキネクトと組み合わせるとVRに近いものになっていくのではないか。
  • これらがどんな体験を我々に与えてくれるのか。とても楽しみ。
  • 裸眼3Dの仕組みについてはこちら→シャープ、2D/3Dを電気的に切り替え可能な液晶ディスプレイを実用化

東京都青少年健全育成条例について軽く

確かに良い法律ではないけどそんなに積極的に反対する気にもなれない。実効力なんて無いんだから別にいらないんじゃないの?なんでそんな法律つくろうとするの?ぐらいなもん。

この問題、あまりにノイズが多く問題の内容・本質を捉えづらくなってる。なので間違ってることを言うかも。

表現の自由を損なうものとして反対されている。実際には表現をしてはいけないって話じゃなくて分離して陳列しなさいってだけの話だ。

少年誌などで書いてる漫画家が「これはいいのか悪いのか?」って考えると萎縮して表現が出来なくなるという。そんなんで萎縮するなら表現なんてやめちゃえ。それは大したことを書いてないんだ。それに個々の漫画家が考えなければ良い。何のために編集が付いているのか。出版社が判断し、それに従って編集が適切に判断すれば良いのだ。

どうせそんな極端な適用はできない。静香ちゃんの入浴シーンがあるからドラえもんの単行本は全巻青年誌扱いとか。そんなことにはならない。万万が一、そんなところまで規制するなら出版社が裁判すれば良いのだ。反対派の意見が正しいなら裁判で勝つことが出来るだろう。

都条例に即したガイドラインを出版社が作ればいいのだ。ガイドラインは現状をできるだけ肯定するようにする。ちゃんとやれば表現の自由を損なうことにはなるまい。

むしろ、危惧すべきは行政の取締より出版社の萎縮だ。過剰な自主規制だ。出版社側もそのことは判っていて「我々が萎縮しちゃうから条例反対です」とか言ってるように聞こえる。出版社に公器の自覚があるなら悪法があったとしても表現の自由は守る、ぐらいの気概があって良いのではないか。

良い法律ではないというのは解釈の幅がありそうだということだ。解釈によっては比較的恣意的に行政が起訴したり逮捕したり出来る法律というのは悪法だ。けど、そんな悪法いくらでもある。

盗聴法、破防法公務執行妨害、凶器準備集合罪等々。けど、問題がある法律を問題がある形で適用されたという話をあまり聞かない。実はオウム真理教破防法違反の疑いで強制調査が入った時とか*1。あれは問題のある適用だったと思うのだが世論がほとんどそれを問題としていない。

俺は「問題にしない世論」の方が法律よりずっと怖いと思うのだ。

*1:実際には破防法は適用されずに「団体規制法」の適用だったらしい

とぅぎゃったリストがはてブのトップになった。

http://togetter.com/li/82613
はてなブックマーク - 人気エントリー - 2010年12月25日

  • タイムライン上で見かけた烏賀陽さん(@hirougaya)のツイートが興味深かったのでほぼリアルタイムでTogetterに纏めた。烏賀陽さんのツイートが終わらないうちに(ってか何処で終わりかわかんないので)こっちの纏め作業も終了させた。
  • その後、タイムライン上には他の人の感想もツラツラと出てくる。こういうリアクションも含めて纏めた方が良いのかなあ、とか思いながらそのまま寝てしまった。
  • TogetterのボットがPVが延びているツイートを投げかけてくれたり、リストがお気に入りに入るたびにメンションが飛んでくるのでだいぶ人気のリストになってるんだろなーって思いながら「自分の」リストを開いてみてビックリ。それはすっかり手を入れられ補完されて「自分の」では無くなっていた。
  • あれよあれよという間にホットエントリー入りして暫くすると冒頭の通りはてブトップに躍り出る。
  • その他、関連すると思われるエントリーやリストが出てきてウェブ上の議論を少なからず惹起する結果になったようだ。→警察にひどい扱いを受けたら - キリンが逆立ちしたピアスTogetter - 「【役人殺すに刃物は要らぬ】警察の任意取り調べにおける録音は、是か非か?【録音するぞと脅しゃいい。】」
  • アクセスというのは坂を転がり落ちるように、アクセスがアクセスを呼ぶ相乗効果的に増えるというのを目の当たりにした。俺が手助けしたのはほんの最初の部分だけだ。これも俺だからやったと言うことではなくて俺じゃなくても誰かがやったことだろう。それでもこんな風に情報をドライブする側に立てたのは少しだけ気分が良い。本当に少しだけだけど。
  • さて、だいぶ前の話だけど俺が書いたエントリーで一番アクセス有ったのはこれ。はてブより他からのアクセスが多かったかな。→『あたし彼女』風吉野家コピペ - 湯=気/日+記
  • 一連の議論に関する感想を。
  • 一つはDNAの収集ってのは警察として本当に実施してるってのはまず間違いない。DB化し易いから指紋より照合が簡単そうだし犯人が現場に残す可能性が高い。警察としては国民全員のDNAが欲しいってのが本音じゃないか。けど、そんなん、世論の支持を得られるわけ無いし、他の省庁の協力も動かせないので採取出来るところから徹底的に採取しようと。そういう事なんじゃないかな。
  • 警察がこんな風にDNA集めに躍起になってるのはやっぱり検挙率の低下がある筈だ。
  • そんな警察の横暴許すまじ、って普通は思うけど。じゃあ、凶悪犯罪の検挙率がこのままずるずる低下するのは良いことなの?
  • 多分、これから経済環境が悪化したり国際化が進んだりすると間違いなく日本は犯罪率が高くなる。警察の予算なんて増えっこない。だったら警察が効率よく犯人を挙げられる体制を作る事も近い将来重要な課題になるはずだ。
  • といっても今回の烏賀陽さんは酷い目にあったし、酷い目に合わせた警察は許し難いってのは原則として思う。けど、警察が抱えている課題の困難さと奥深さを考えると何処かで我々は自由と安全を天秤にかけなければいけないのではないかとも思うのだ。

写真に塗り絵

米国の実業家が1950年代に撮影した、日本の美しいカラー写真51枚 : ひろぶろ
これらの写真が本当にカラー写真なのか、モノクロ写真にレタッチした物なのか微妙だけど。モノクロ写真のカラー化ってのは手法としてある。下記はそうしてカラー化された写真だ。
旧日本海軍・艦艇写真のデジタル着彩 : 戦艦『大和型』 Yamato class battleships.
こんなに緻密にやる暇もテクニックもないけど雑にやるのも面白いんじゃないかと思ってちょっとやってみた。食休みがてら。オリジナルと並べて表示。

知ってる人は知ってる程度のgmail tips3個 +1

このうち一つ紹介したら人からたいそう感心され重宝がられたのでブログに書いてみる。一個だけだとブログにするのもなんなので幾つか拾ってみた。

検索|label:xxx label:inbox

label:inboxで「受信トレイ」を検索する。例えばメルマガってラベルを使っているとして。受信トレイをスキップするほどではないがすぐ溜まってしまうメールってのはあると思うのだ。これで検索するとさくっと全選択してさくっとアーカイブ出来る。勿論、検索条件はクイックリンクで保存しておく。

検索|in:spam from:co.jp -from:yahoo -from:infoseek -from:hotmail -from:excite

in:spamでスパム判定されたメールを検索する。その中から".co.jp"ドメインを検索する。さらにフリーメールのドメインを除外する。これが何を意味するかっていうとスパム誤判定のメールだ。.co.jpのメールは仕事のメールが多い。その誤判定をサルベージするのに使う。これもクイックリンク。

検索|label:xxx before:2010/06/1

メルマガとか一定期間過ぎたら削除したいときに使う。before:演算子は何月何日以前という指定。同じようにafter:演算子も使える。出来れば「今日から180日以上前」みたいな指定をしたいんだけどそれは出来ないっぽい。誰か知ってたら教えて下さい。

番外編|ショートカットキー j / k / x / e

これも受信トレイをスッキリさせるときに便利。xでスレッド選択、j / k で次のスレッドを選ぶ。受信トレイを表示させた状態でアーカイブしたいスレッドを素早く選択。複数選択した状態でeを押下すると選んだスレッドはアーカイブされる。

実写版ヤマトのレビューの追補というより日本アニメにおける女性の役割について

森雪は良かった。原作の森雪とはぜんぜん違う役柄だった。原作で彼女は女性であるというだけで何の役割も与えられていなかったのに対し、しっかり自己主張をする強い女性として描かれていた。

この部分に対して質問があったので回答。
日本アニメには女性であると言うことしか役割として与えられていないというキャラクターが数多く存在する。
のび太スネ夫ジャイアンが個性豊かに描かれているのに源川静香の没個性ぶりは何だって話だ。程度の差こそあれ、1970年代頃までのアニメの女性主人公っていうのはそんな役柄であったとおもう。

極論すれば彼女たちには個性なんかいらない。かわいくて優しくて主人公の事を気にかけてくれてさえいればそれで良い。出来ればピアノやバイオリンを習う良家の子女であればさらに良い。誰からも愛され一目置かれる女性みたいなのが居ればそれで物語は回るのだ。これは当時の女性に対する眼差しがその程度であったと言うことを示す。少し厳しく言えば作者達の女性観もそんな程度だったんだと思う。

アニメ宇宙戦艦ヤマトにおける森雪の位置づけはまさに「女性であれば何でも良い」って立場だった。ところが実写版のヤマトではその立場が一変した。現代的な女性の描き方になった。

ドラえもんの静香ちゃんがあんな感じなのに対してクレヨンしんちゃんのネネちゃんは強烈な個性の持ち主だ。これは時代の変遷と共に女性に対する視線が変わったって事に他ならないと思う。

話をアニメに限定したけど日本文学には得てしてそういう部分ってあるんじゃないだろうか。森鴎外舞姫のエリスなんかもそんな描かれ方だったと記憶している。だいぶ昔に読んだので記憶不確かだ。間違ってたらゴメン。