テオ・ヤンセン展に行ってきた

  • テオ・ヤンセン展に行ってきた。展示はアートよりというより工学的な内容だった。
  • テオ・ヤンセン氏の発明はテオ・ヤンセン機構に収斂されると言って良いだろう。全てはそこが中心だ。もっと色々な動物の動きの模写があるのかと思ってたけどその期待は裏切られたか。
  • 動物は車輪を持たずに脚を持つ。人間は移動する道具を作るときに脚を使わず車輪を使った。ロボット工学等で機械は脚を持つようになった。これは一番、シンプルな脚の機械だ。その意味では偉大な発明だ。
  • 脚を持つ機械を見ていたら車輪を持つ生命を想定した石原藤夫氏の傑作SF「ハイウェイ惑星」を思い出した。
  • あと、感じたのはこれが工学とアートの境界線にあるという事実。正直工学としては、利用可能な技術としてはほぼ無価値だ。観賞価値はあっても利用価値が無い。
  • 例えばテオ・ヤンセン氏が自動車メーカーに所属しテオ・ヤンセン機構を研究し続けたとしたら。それはあまり日の目をみることはなかっただろう。アートという枠組みが与えられたからこそテオ・ヤンセン機構は価値を持った。
  • テオ・ヤンセン氏はこれをもって生命だと定義付けたいのだろう。生命=システム論にかこつけた能書きが展示内にあった。それ言ったら多くの機械は生命だろ。変な理論にかこつけて自らを権威付けしようとする。そこんところもなんかアートっぽい。成功していればかっこいいけどあんまり成功してない。オートポイエーシスっぽいところを組み込まないと生命とは言いづらいのだ。
  • 風車で動くテオ・ヤンセンおもちゃがあってそれが一番面白かったかも。おもちゃとしての可能性が一番あるんじゃないか。