東京都青少年健全育成条例について軽く

確かに良い法律ではないけどそんなに積極的に反対する気にもなれない。実効力なんて無いんだから別にいらないんじゃないの?なんでそんな法律つくろうとするの?ぐらいなもん。

この問題、あまりにノイズが多く問題の内容・本質を捉えづらくなってる。なので間違ってることを言うかも。

表現の自由を損なうものとして反対されている。実際には表現をしてはいけないって話じゃなくて分離して陳列しなさいってだけの話だ。

少年誌などで書いてる漫画家が「これはいいのか悪いのか?」って考えると萎縮して表現が出来なくなるという。そんなんで萎縮するなら表現なんてやめちゃえ。それは大したことを書いてないんだ。それに個々の漫画家が考えなければ良い。何のために編集が付いているのか。出版社が判断し、それに従って編集が適切に判断すれば良いのだ。

どうせそんな極端な適用はできない。静香ちゃんの入浴シーンがあるからドラえもんの単行本は全巻青年誌扱いとか。そんなことにはならない。万万が一、そんなところまで規制するなら出版社が裁判すれば良いのだ。反対派の意見が正しいなら裁判で勝つことが出来るだろう。

都条例に即したガイドラインを出版社が作ればいいのだ。ガイドラインは現状をできるだけ肯定するようにする。ちゃんとやれば表現の自由を損なうことにはなるまい。

むしろ、危惧すべきは行政の取締より出版社の萎縮だ。過剰な自主規制だ。出版社側もそのことは判っていて「我々が萎縮しちゃうから条例反対です」とか言ってるように聞こえる。出版社に公器の自覚があるなら悪法があったとしても表現の自由は守る、ぐらいの気概があって良いのではないか。

良い法律ではないというのは解釈の幅がありそうだということだ。解釈によっては比較的恣意的に行政が起訴したり逮捕したり出来る法律というのは悪法だ。けど、そんな悪法いくらでもある。

盗聴法、破防法公務執行妨害、凶器準備集合罪等々。けど、問題がある法律を問題がある形で適用されたという話をあまり聞かない。実はオウム真理教破防法違反の疑いで強制調査が入った時とか*1。あれは問題のある適用だったと思うのだが世論がほとんどそれを問題としていない。

俺は「問題にしない世論」の方が法律よりずっと怖いと思うのだ。

*1:実際には破防法は適用されずに「団体規制法」の適用だったらしい