実写版ヤマトのレビューの追補というより日本アニメにおける女性の役割について

森雪は良かった。原作の森雪とはぜんぜん違う役柄だった。原作で彼女は女性であるというだけで何の役割も与えられていなかったのに対し、しっかり自己主張をする強い女性として描かれていた。

この部分に対して質問があったので回答。
日本アニメには女性であると言うことしか役割として与えられていないというキャラクターが数多く存在する。
のび太スネ夫ジャイアンが個性豊かに描かれているのに源川静香の没個性ぶりは何だって話だ。程度の差こそあれ、1970年代頃までのアニメの女性主人公っていうのはそんな役柄であったとおもう。

極論すれば彼女たちには個性なんかいらない。かわいくて優しくて主人公の事を気にかけてくれてさえいればそれで良い。出来ればピアノやバイオリンを習う良家の子女であればさらに良い。誰からも愛され一目置かれる女性みたいなのが居ればそれで物語は回るのだ。これは当時の女性に対する眼差しがその程度であったと言うことを示す。少し厳しく言えば作者達の女性観もそんな程度だったんだと思う。

アニメ宇宙戦艦ヤマトにおける森雪の位置づけはまさに「女性であれば何でも良い」って立場だった。ところが実写版のヤマトではその立場が一変した。現代的な女性の描き方になった。

ドラえもんの静香ちゃんがあんな感じなのに対してクレヨンしんちゃんのネネちゃんは強烈な個性の持ち主だ。これは時代の変遷と共に女性に対する視線が変わったって事に他ならないと思う。

話をアニメに限定したけど日本文学には得てしてそういう部分ってあるんじゃないだろうか。森鴎外舞姫のエリスなんかもそんな描かれ方だったと記憶している。だいぶ昔に読んだので記憶不確かだ。間違ってたらゴメン。