乗用車の稼働率を上げてみる

自動車業界は年間400万台の自動車を国内で売ろうとしてるけどそもそもそんなに自動車いらないよね、無駄だよね。けどその無駄をしないと経済回らないんだなって話です。

国内新車販売:来年は6年ぶりに増加 自工会が見通し

日本自動車工業会は24日、2010年の国内新車販売台数が09年実績見込み比4.1%増の479万8400台になるとの見通しを発表した。実現すれば、国内の新車販売は6年ぶりに前年実績を上回ることになる。

自工会では、政府がエコカー減税や新車買い替え補助制度の延長を決めたことを受け、10年もハイブリッド車(HV)などエコカーへの買い替えが進むと予測。普通・小型乗用車が同6.1%増の280万1000台と7年ぶりにプラスになると見込んでいるほか、軽乗用車も同0.2%増の129万2000台と復調すると期待している。

自工会は09年度の国内新車販売見通しも上方修正。従来予想から約56万台上乗せした約486万台とした。年度見通しを修正するのは異例だが、自工会では「政策効果が予想以上に需要を刺激しているため」と説明している。【宮崎泰宏】

車種別(詳細)保有台数表(PDF)

自動車工業界の見通しで2010年は約480万台の自動車を販売し、そのうち乗用車は409万台だという。一方、日本の乗用車の登録台数が5800万台くらい。これをまずは前提とする。

一方、稼働率と言う言葉がある。生産設備や通信システムなどがどれだけ働いているかを示す数字だ。自動車は機械だから一日、24時間近く稼働できる。100%は無理にしても95%の22.8時間ぐらいは無理がない数字だ。

それで乗用車はどうだろう。一日のうちどのくらい稼働しているだろうか。人の生活サイクルは週単位で見ると判りやすいので一週間を168時間って考えてみる。

通勤=往復1.5時間×5+週末のショッピングorドライブ3時間
((1.5 * 5) + 3) / 168 = 0.0625で約6.3%
通勤無し。週末のショッピングorドライブのみ3時間
3 / 168 = 0.0178571429で約1.8%

前者が通常の乗用車のほぼマックスの稼働率で後者がミニマムの稼働率か。実際にはこれの中間の4%ぐらいが稼働率か。別の見方をする。年間の走行距離が8000キロで平均速度が20km/hだとこんな計算が成り立つ。

(8000km / 20km/h) / (24時間 * 365日) = 0.0456621005で4.5%

どっちにしろ4-5%が乗用車の稼働率って事になる。本当の意味でのエコというのはこの稼働率を上げることだ。これを30%にしたらどうなるか。409万台の新車販売台数が約1/6の約68万台でOKって事になる。

また見方を変えてみる。乗用車の登録台数が5800万台ぐらい。これらの稼働率を30%に上げたら966万台の自動車があれば事足りることになる。これらの966万台は稼働率が高いので年間8000キロの六倍の4万8千キロを走ることになるが耐用走行距離を30万キロと仮定すれば6.25年だ。これからはハイブリットやEVが主体になるので30万キロぐらいは持つだろう。この計算だと新車販売台数は154万台となる。全乗用車登録台数を想定すると稼働率はもう少し下がるかも知れないので先ほどの数値に近づくのかも。

いずれにせよ、自動車はこんなに沢山いらない。必要性というところで考えれば、だ。稼働率を上げる手段はカーシェアリングの義務化になるだろう。自動車の個人所有は禁止するぐらいの政策が必要になる。

勿論、こんな政策を採ることが出来るわけがない。無駄を維持して経済を回していくしかないのが今の考え方だ。景気を良くするって事は使いもしない、稼働率が5%にも満たない車を沢山売ると言うことであり、無駄を増大させることでしかない。