本を読む

何という味も素っ気もないタイトルだ?って自分でも呆れる。

ネットに入り浸り始めてから俺はめっきり本を読む量が減った。ネットがあれば情報が湯水の如く入ってくる。けど、その情報は細切れの情報ばかりだ。自分の価値観で篩にかけることが出来るが、自分の価値観を再構築するようなそれには、ネット上ではなかなかお目にかかれない。そんな情報に出会えるように少ないながらも重要かもしれないって思う本を読むようにしていた。

その行為はネットの先っぽに書籍があるような感覚だった。それはそれでも良いんだけどそれだけで良いのかとか思うようになった。あちこちのブログで面白そうな本の紹介を見てそれらを選びながら読んでいく。厳選された情報ばかりが入るようになる。そんなに整然とした情報をwebから得ている訳じゃないけど、俺の関心事の延長線が俺の選び取る本になる。そのラインを逸脱してみようと考え始めたのである。

そういや、しばらく小説を読んでない。たまには本屋でも行くかって思って小説を一冊選んで買ってみた。ここからちょっとした俺の本ブームが始まった。

今までは好きな作家を追いかけるような読み方をしていた。小松左京とか半村良とかフリップ・K・ディックとか筒井康隆とかが高校生から大学生ぐらいの好みだったかな。*1比較的最近では貴志祐介とかグレッグ・イーガンとかを追った。好きな作家が出来てその作家の本を読んで、その作家が語っている別の作家の本を辿っていくというのは読書家の普通に辿る道だ。けど、それってリンクをクリックしていくことと本質的には一緒なのだ。

もっとランダムアクセスしてみたい。選び取った情報ではなくて目の前に降って沸いた情報、それもweb上にあるように細切れなヤツじゃなくて体系立った情報を取り入れてみたい。そのためには本屋というのは情報と出会う良い場所なのだ。

最初は普通の本屋に行った。三度目くらいからブックオフに行くようになった。ブックオフが面白いと思ったのが普通の本屋だと文庫は出版社事に並んでるけどブックオフは完全に作家事に並んでる。さっきのランダムアクセスとは矛盾するけどその方が見やすいし、アクセシビリティも高い。勿論、値段が安いってメリットもある。

それとブックオフに本を売りに来る人って言うのは本好きな人が多いのかな。本好きだから沢山本を買うし、沢山売る。そんな人のライブラリを覗いているような気分にもなれる。

ランダムアクセスが目的だから読んだことのない人の本を読むというのを緩いルールにしている。そんなに厳密に守っている訳じゃないけど。同じ作家を追いかけるのはその作家の脳みその中身を追い続けるわけだ。追い続けるよりあちこち食い散らかす方が面白いじゃないか。そんな風にして俺は物語に、情報に出会い続けるという行為をここ一ヶ月ぐらいしている。

昔ほど速いペースで読めるわけでもないけど一ヶ月弱で5冊目だ。まずまずのペースなのかな。久しぶりに色々な物語を楽しんでいる。

読んだ本はここにメモるようにする。

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2009-10-09 (Fri) 追記
5冊目じゃなくて6冊目でした。伊坂幸太郎ラッシュライフを忘れてた。読書メモも更新。

*1:そうです。どうせSFファンです。士農工商犬SF