横濱ジャズプロムナード

何度目かのジャズプロムナード。今年は特に腹一杯楽しめた。

BILL MAYS+椎名豊

初っ端はこのユニット。ビル・メイズの音楽はyoutubeで少し聴いて好みの類の大人のでこれにした。両方とも(p)ってなってたのでピアノが二人いるカルテットとかかなって何となく思ってたらピアノデュオだった。そら普通に考えたらそうなるんだけどはっきりピアノデュオって書けよとも思った。セットを見て地味なのを選んじゃったなってちょっと後悔した。ところが演奏は期待値の二乗ぐらいの素晴らしい演奏。今まで生で聴いたジャズピアノの中で間違いなくベストだ。池袋で聴いたキース・ジャレットのソロコンサートより確実に良かった。相方の椎名豊の演奏もなかなかだ。とはいえ、ビル・メイズに始終引っ張られてる感じだ。椎名本人も相手のプレイに聞き惚れてうっかり自分のプレイを忘れるほどだって言ってた。それはかなり頷けるほどの演奏だった。圧巻。手放しで絶賛。

その次はハクエイ・キムってのを聞きに行こうとしたがビル・メイズが押していたこともあり満席で入室できず。今年のジャズプロムナードはやけに混んでる。時間が空いてしまったので少しのんびり目に昼飯。

今田あきらevergrades

フュージョンってなってた。今時、フュージョンって絶滅危惧種だよなと思いながらセレクト。横浜ジャズプロムナードは品揃えがトラディショナルなモダンジャズに偏重している傾向があるので積極的にこう言うの聞かないと同じような物ばかりになる。このバンドはフュージョンというよりポップなジャズって言っても良さそうなぐらいの位置付けかな。これを聴いた会場は酒飲みながら聴ける会場なのでそれがあるからこれを選んだってのもある。

モヒカーノ関ラテンジャズ八重奏団+高橋ゲタ夫crystal jazz latino

一応、二つのユニットのステージなんだけど両方とも高橋ゲタ夫が全面に出ているし似た傾向のユニットだし殆ど一繋がりとして見れた。始終ノリノリのステージ。スチールドラムの音が美しかった。なんでこんな音が出るのか不思議なくらい。高橋ゲタ夫久しぶりに見たなあ。陽気なオッサン。

向井滋春ブラジリアンバンド

ラテン系が続く。大好きな向井滋春。ジャズトロンボーンの第一人者だ。いつのまにか習得したらしいチェロも披露してくれた。ジャズプロムナードはどのステージも基本、アンコール無しなんだけどここだけはアンコールが沸き起こりそれに応えてくれた。原則を曲げるぐらい盛り上がったステージだった。
下記動画では奇しくも後述の板橋文夫がピアノを弾いてる。

板橋文夫エリントン生誕110年記念オーケストラ

板橋文夫って人の音楽はどうも馴染めない。暑苦しい音楽だ。厚ぼったい音楽だ。それでも林栄一や小山彰太などという芸達者なミュージシャンを集めるのでどうしても足が向いてしまう。やっぱり今回の演奏も暑苦しいし、しつこいし、くどい。けど、何度か聴いてるうちに馴れてきた。馴れとは恐ろしい。今回は吉田隆一ってバリトンサックス奏者が面白かった。あと、名前が不確かだけど、(多分)北浪良佳ってヴォーカルの女の子が良かった。ステージ上は高齢者も多くはっきり行ってむさ苦しいんだけどその人がステージ上に立つとパッと華やかになる。歌声も暑苦しい演奏に負けてない。女王の風格だ。ちょっと驚いた。
http://www.videoartsmusic.com/yoshika/

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前述の通りジャズプロムナードはモダンジャズ偏重なんだけど今回は随分違った。前に「あれ?今回、エレキベースが1個もなかったぞ」とか思ったけど今回はエレキベースの方が多かった。主催者側も意識してバリエーションを持たせようとしているのかもしれない。