俺が今まで選挙に行かなかった理由

民主党マニフェストテキスト版

33.郵政事業を抜本的に見直す
【政策目的】
○現在の郵政事業には、国民生活の利便性が低下していること、地域社会で金融サービスが受けられなくなる可能性があること、事業を担う4社の将来的な経営の見通しが不透明であることなど、深刻な問題が山積している。郵政事業における国民の権利を保障するため、また、国民生活を確保し、地域社会を活性化することを目的に、郵政事業の抜本的な見直しに取り組む。
【具体策】
○「日本郵政」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」の株式売却を凍結するための法律(郵政株式売却凍結法)を可及的速やかに成立させる。
○郵政各社のサービスと経営の実態を精査し、国民不在の「郵政事業の4分社化」を見直し、郵便局のサービスを全国あまねく公平にかつ利用者本位の簡便な方法で利用できる仕組みを再構築する。
○その際、郵便局における郵政三事業の一体的サービス提供を保障するとともに、株式保有を含む郵政会社のあり方を検討し、郵政事業の利便性と公益性を高める改革を行う。

四年前の選挙であれだけ国民が一致して支持し、与党に2/3の議席を与えた郵政民営化を否定するマニフェスト民主党は出している。今回はそれがひっくり返ったような民主党の大勝利だ。郵政民営化を国民はいったいどうしたいのだろう。あのときに肯定した民営化を否定するだけの理論的な裏付けを一人一人は持っているのだろうか。また、自民党に対してダメ出しはしたい、けれども郵政民営化は継続すべきだって思っている人は相当数いる筈なんだけど、このマニフェストに対する批判は殆ど聞かない。国民が大騒ぎして民主党マニフェストを変えさせるぐらいの声が上がっても良かったのではないだろうか。

四年前の郵政選挙も民意、今回の選挙も民意であるならばこの大いなる矛盾は一体何だ。その変遷の理由を的確に説明出来る人はどれだけいるのだろうか。

俺が思うに民意なんてこのように気まぐれなのだ。政治家は自分の利益や自分の地元の利益を考えつつも、日本がどうあるべきかと言うことを少なからず思っている人が多いはずだ。ところがそこに審判を下す民意とやらがこのように良い加減で気まぐれなんだ。だから、政治家も飴を見せるようなマニフェストしか書けない。そんなマニフェストしか効果がない。その中で政治をしなければならない。それはしょうがない。そういう仕事なんだ。

ところが、このような気まぐれな民意に付き合うことを国民の権利だとか義務だとかって言われる。選挙に行かない奴は政治に対して考えたり批判したりする資格がないとか言われる。なんでそこまで?って思う。

厳しい言い方をすれば、前回、郵政民営化賛成で今回何となく民主党に票を投じてしまったような人は選挙に行く資格なんか無いとか俺は思う。

俺は選挙には今まで全然行かなかったけど票を投じるとしたら何処に入れるだろうって事は割とまじめに考える。考えた結果、いつも結論が出ない。だから行ってもしょうがないやって思う。票を入れたくなったら入れに行くよ。けど、いつまでたってもそうならない。待っていれば票を入れたくなる政党や政治家があらわれると言うより俺が求める解からだんだん離れて行ってるようにさえ思える。

選挙に行くべきだ行くべきだって風潮が定着するとこのような気まぐれなマジョリティが国家の形を決めるようになる。本当にそれで良いのか。郵政民営化から翻った理由を説明出来ない人に委ねて良いのか。そんな気まぐれな事をするぐらいなら、行きたくない人は行かなくても良いんじゃないか。特定の団体に利する政治家ばかりになるって言うけど、その力量がある人が選ばれる分にそんなに悪くはないだろう。今のような気まぐれは杉村太蔵を議員として国政に送り込んでしまう。特定団体に利する事が出来る少し腹黒いけど力のある人と、杉村太蔵とではどっちが良いのかって聞かれたら、どっちもどっちだなって言うほか無い。

今回の選挙で民主党は143人の新人を送り込んだ。この中での太蔵率は如何ほどだろうか。

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前のエントリーに書きましたが今回の選挙は行きました。自分が選挙に行かない理由を自分の息子(八歳)に判るように説明するのが困難だと思ったからです。