秋葉原の加藤君について

感じた事を二つ。

一つ目。
孤独が犯罪をもたらすという事を強く感じさせてくれた事件だった。信頼できる家族や仲間や友人や恋人がいればこんな事件はなかなか起こさない。現代は孤独が増幅している社会だ。少し前までは会社が終身雇用で守ってくれたってのが近年無くなったのが痛いかも。家族とも良い関係であったと思えないし、会社からも見放されていた。友達もいない、彼女もいない。ネットでもスルーされている。人は所詮、人との関わりの中で生きているのだ。何処にも行き場所がない人は何処かにそれを求めなければならない。それが殺害という形であっても繋がりを持ちたいと思う人はいるのだ。

二つ目。
マスコミの報道を一見したところでは犯人の異常性と被害者の悲劇を強調しているように見えた。孤独な社会を増大させていながら、そこから取りこぼされた者を異常者扱いして精神的に隔離し、自分たちとは無縁の存在として排除する。その上で被害者感情をクローズアップして犯人をさらにどす黒く浮かび上がらせていく。一種の生贄を見る思いがした。