河鍋暁斎記念美術館


河鍋暁斎記念美術館へ行って来た。京都で展示会を見た人が良かったって言ってたのでgoogleでイメージ検索してみたらわりと好みだったのだ。どうやら記念美術館が埼玉県蕨市*1にあるようだ。

河鍋暁斎記念美術館 Kawanabe Kyosai Memorial Museum

家からの距離は40キロちょっと。自転車で行くのに丁度良い。昨日の土曜日は梅雨の晴れ間のようなので行ってきた。コースはこんな感じ。

ALPSLAB route (横浜市青葉区から河鍋暁斎記念美術館)

随分と辺鄙なところにあるようだ。人出は少ないだろう。もしかしたら暁斎の曾孫である館長がもぎりのおばさんをやってるかも知れないとかそんな想像をしながら出かけてみた。

場所は判りづらい。携帯ナビを頼りにしたのだが直近でナビが言うことを聞かず自分の位置を間違えたりしてたのでちょっと迷ってしまった。看板も一カ所しかなかった。その場所に至るまでは入館料の安さとか看板の少なさとかっていうやる気の無さが感じられてもしかしたら大はずれかも知れないとか思いながら辿り着いた。

入ってみると案の定客は俺一人。美術館のスタッフは三人。展示室が小さく三つに別れていてスタッフが一つの展示室にしかいないから写真取り放題な感じ。作品は良い物もあれば悪戯書き程度の物も置いてある感じ。けど、ほぼ貸し切り状態でじっくり見れたのは良いのかも。京都で五月まで展示会をしていたので主要作品がそっちへ行ってしまっていたのかも知れない。

多彩な絵を描く人なんだけど総体的な印象としては良い意味で江戸時代っぽい絵から明治以降の日本画の端境を感じさせてくれた。その中でも彼自身の個性というのは充分に感じられる。個性的でワンパターンな作家ってのもいるし、多彩だけど器用貧乏な人もいる。多彩でありながら一貫した個性を感じさせてくれる人は他にもいるんだろうけど、その代表格な感じ。見た直後だからそう印象づけられているんだろうけど。

美術館自体は温いけどやる気のなさそうな感じはなかった。けど金を稼ごうとはしていないみたい。純粋にその家族が自分の家で作られた優れた作品を後世に残そうとして作ったのだろう。美術館の建物自体も元々は実家だったのではないだろうか。相続税が払えないってのが始めたきっかけってのはありそうだけど。

小さな美術館だけど、いや、だからこそかも知れないが三ヶ月に一回展示物を入れ替えるらしい。次は九月に総入れ替え。京都に行っていた代表作も戻ってくるかも知れない。気が向いたらもう一回行ってみるか。

これだけ人が少なければもっと馴れ馴れしい接客をしても良いのではないかと感じた。俺は随分関心を持って見たし、そんな客には積極的に話しかけてあわよくば作品を売りつけるぐらいの勢いでも良かったのではないか。その商売気の無さが良い感じでもあり物足りなさでもある。


下絵と呼ばれる物の展示が多かった。鳥獣戯画っぽい下絵。


これはまんま鳥獣戯画


彩色までしてあるので下絵といえるのかどうか。紙っきれに書かれただけの絵。けど、今回の展示の中では俺が一番気に入った物だ。


ミュージアムショップでは紅茶をサービスしてくれる。入場料300円なのでドトールに行ったよりお得な感じ。


ミュージアムショップより中庭を眺めたところ。


自転車で100キロ前後を走るのは俺としては標準的になってきたけど殆ど地元の神奈川県内で事を済ましている。今回は神奈川から東京埼玉へと抜けた。埼玉に自転車で足を踏み入れるのは初めてだ。ここのところちょっと遠乗りするよって時はtwitterで実況している。よろしかったらfollowしてください。
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*1:わらび市と読むらしい。いばら市とかだと思ってた