チベットのこと

長々と書くとキリがないので手短に書こうと試みる。

中国のチベット民族に対する弾圧はどう考えても正当化できないし中国の肩を持つわけでもないけどfree tibetって声高に叫ぶ気にもなれないってのが俺の立場だ。

まず、チベットの問題は民族問題だ。重ねて言えば少数民族の問題だ。東西冷戦が終わって、中東問題もイラクが消滅したので一段落付いと解釈出来る。大きな火種は少しずつ小さくなっているのが趨勢だ。今後は小さな火種にフォーカスが移行するのだ。その小さな火種の中心は間違いなく民族問題だろう。

民族問題を突き詰めるとパトリオティズムに行き当たる。パトリオティズムは分離主義に向かう。分離主義はその火種を燻らせ続ける温床になるってのが俺の理解。民族の壁は乗り越えたり忘れ去ったりしていかなければならないのだ。

チベット亡命政府が分離主義的かどうかと言うことを問えばそうなのだろう。亡命チベット人憲章なる物にはそのようにハッキリと書いてある。

亡命チベット人憲章・序説
http://www.tibethouse.jp/cta/future_tibet_intro.html

国内外のチベット人が念願の再会を果した暁には、チベットはその固有の3州から構成される単一国家となるだろう。そしてその国は自由と民主主義の諸原則に基づき、慈悲つまり愛と共感を大切にする釈尊の教えに導かれる国家であろう。

少数民族は弾圧されるべきではないし、保護されるべきでもない。世界は流動化しているので放っておいても民族は少しずつ消え解け合っていく。その中で自分たちが寄り添い民族を守っていく自由はあるんだろうし、その自由を侵害してはならないのだろうが、それは大きく取り沙汰されるようなものではなくてひっそりと息づいていけば良いだけの話だ。大きくしすぎると新たな火種になる。

チベットを認めればウイグルが黙っていないだろう。ロシアが抱えている様々な独立運動も再び勢いを増すかも知れない。チベットの人たちは守られるべきだけど今回の運動はそういうところに繋がる可能性を持っていると言うことを我々は知っておかなくてはならない。

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参考:これらの記事で語られていることに俺は賛同する訳じゃないけど理解の一助として紹介しておきます。

チベット虐殺抗議デモに行ってきた - NC-15
http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20080323/1206280905

コソボチベットに影響 露外相、米欧を非難 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080318/chn0803181955015-n1.htm

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ついでに。中国にはこれだけ多くの少数民族が存在します。

中国まるごと百科事典:中国少数民族
http://www.allchinainfo.com/ethnic/minority.html