尖閣問題あれやこれや

  • まず、尖閣諸島に領土問題は「存在する」と考えたほうが良さそう。

日中間の隔たりがこれほど大きく深い理由  JBpress(日本ビジネスプレス)

中国政府はこれらの島が、明の時代(1368〜1644年)から中国の一部だと主張している。当時の数カ国の様子を描いた複数の地図が、明のものだったことを示しているという。

中国側に言わせれば、この島々は台湾の一部だ。台湾は日清戦争(1894〜1895年)で清が敗れた後、日本の植民地になった。従って、日本が第2次世界大戦で負けて台湾の支配をあきらめた時に、島の領有も放棄したはずだとしている。

特に意外なことではないが、日本側の主張は全く異なる。これによると、日本政府は尖閣諸島(釣魚島)を1885年に調査し、「単にこれが無人島であるのみならず、清国の支配が及んでいる痕跡がないこと」を確認した。

また、尖閣諸島は台湾の一部ではなく沖縄から支配していたとしており、1971年の沖縄返還をもって日本に返還されたと主張している。

  • 竹島(独島)と違い日本名と中国名が良く似てる。交流があった文化圏から認識されていた地域であることを示しているのではないか。領土という認識があいまいだった時期は共有されていた地域であったに違いない。
中国名 日本名
釣魚台 魚釣島
黃尾嶼 久場島
赤尾嶼 大正島
南小島 南小島
北小島 北小島
北岩 沖の北岩
南岩 沖の南岩
飛岩 飛瀬

釣魚台列嶼 - 维基百科,自由的百科全书より

  • こんな問題で歴史的経緯をあれやこれや言ってもしょうがない。歴史は視点が変われば見方が変わる。時には「事実」でさえ変わる。
  • どうせ、解決しないのであれば腫れ物を触らぬようにするのも正解の一つだ。であるから、ビデオを隠したという民主党政権の選択はそんなに間違っているとも思えない。けど、支持するわけでもない。支持できない理由は後述。腫れ物を触らぬようにするという選択はアメリカもそうしているように思える。単にめんどくさいだけかもしれないが。
  • ビデオを隠すという選択を支持できなかった理由。それは隠す理由を正面切って主張できない世論の圧力があったこと。中国の国民感情に配慮して、なんて今の世論じゃ言えっこない。隠す理由が苦しくなってきたのだ。苦しいなら苦しいまま隠すための最新の配慮をするべきだった。それが出来てなかったってか出来る状況ではなかってのに近い。多くの人間が既にビデオを見ている。そのひとりの人間が造反すればウェブに流れる。それに対する配慮が無さ過ぎた。
  • この問題の序盤は単純に俺の09/07時点でのツイートで表現できると思う。

海上保安庁が勝手に逮捕して検察が勝手に釈放して首相がオタオタする尖閣諸島問題。ってのが本質かも。政治主導どころか行政の勝手な判断を政治が制御できない。

  • その後もビデオの取り扱いを巡って後手を踏み、ビデオ公開のタイミングを逸し、もたもたしている間に漏洩した。政治が状況を作っているのではなくて状況により政治が引っ張りまわされている状態だ。無策という他ない。
  • 十年前、雪印が牛肉問題の内部告発であわや自壊というところまで追い込まれた。当時、リストラや派遣社員の多用などで企業内部のタガが外れるとそんな問題が多発するようになった。今その波が十年遅れて公務員にまで届いているのかも知れない。十年前、内部告発が多発する社会を「安心して働けない社会は好ましくない」って俺は思っていたけど今は少し違ってきた。安心してのうのうと働ける社会なんてもう絵空事に近くなってる。やっと公務員の社会もそこまで来たってことかも知れない。今回、漏洩させた海上保安庁の職員が安心して働けていたかどうか、俺には分からない。けど、今後、そんな公務員が多数発生する可能性は高い。
  • その後、企業は内部告発に対する対策を徹底してコンプライアンス重視の風土が生まれた。公務員の社会もそうなっていくのだ。
  • さて、情報漏えいした海上保安庁職員が裁かれるべきか否かということに対しては明確に裁かれるべきであると意見表明する。義憤であろうが公憤であろうがやったことは許されない。内部告発がお盛んな会社と取引したいだろうか。義憤にかられて造反する公務員が多発する政府を我々は支持できるか、諸外国はその国家を信頼できるか。海上保安庁職員はその先鞭を切ったという意味では極めて罪は重い。我々は国籍を捨て去らない限り多かれ少なかれ日本という国家なり日本の政治に付き合い続けなければならないのだからこういう手合いは許してはいけない。
  • いや、それでもこの海上保安庁職員を許すべきだと思っているなら。そんなあなたは武装蜂起して国家転覆をねらたほうが良いとアドバイスする。それはそれでアリだ。これはプチ情報クーデターなのだ。クーデターを支持するなら徹底しなければならない
  • 今後、官公庁は少なくとも民間企業程度の、出来ればそれ以上の情報セキュリティ体制が必要だ。今がどの程度なのか判らないけど報道されているような動画データの取扱ではセキュリティ甘そうだなと言わざるをえない。USBメモリの持ち込みはご法度だし、持ち出しは登録制度とか。そのくらい今どきの大企業だったらやってるはず。その程度のことはやらなければ。全ての公官庁に水平展開するつもりで。
  • どうせ、そんなことやってもイタチゴッコなのは判ってる。しかし、セキュリティの壁を乗り越え情報を漏洩させた相手にはつい出来心なんて言い訳を言えなくなるのだ。だから壁は高くする。高くすれば漏洩は激減するものだ。
  • とてもガッカリしたのはgoogleがアクセス情報を捜査当局に開示したことだ。匿名性が前提の掲示板や投稿サイトではその匿名性を強く保持しなければならない。それを破って情報開示するとなったら強い法的根拠がなければならない。そこが今回、曖昧だ。2chを運営している時のひろみちだったら絶対後悔しないに違いない。Don't be evilを社是としているgooleがそこを破ってしまったのは残念極まりない。

どういう法的根拠でGoogleは尖閣ビデオ流出記録を開示するのだろうか - ガジェット通信

  • マスコミのスタンスも大きく問われなければならない。公開したことにより犯罪に問われそうな映像を繰り返し電波に流す事にどのような正義があるのか。どのような正当性があるのか。そこを批判している言説を殆ど聞かないのは不思議なことだ。