誰も振り返らないのでこの十年を振り返ってみる・テクノロジー編

年の瀬なのでこの一年を振り返るみたいな話は多いんだけどこの十年を振り返るって話は聞かない。この年末は特別な年末なのだ。ゼロ年代の終わりなのだよ。だから10年単位で振り返ってみるのも悪くないんじゃないかと。取り敢えずテクノロジー編。「残念」を基本に書いてみる。この十年のテクノロジーは思ったほど大した進化はしてない気がするのだ。

M-ROM
コンピュータのメモリは早くて容量の少ないメモリがCPUの近くに配置され遅くて大容量のメモリが遠くに配置される。早くて近いメモリはCPU内部の一次キャッシュ、二次キャッシュで次にDRAMが配置される。その先はHDやフラッシュメモリだ。早いメモリは容量が少ない、容量が多いメモリはスピードが遅い。じゃあ、容量がでかくて早くてついでに低コストなメモリがあればこんな風に多段のメモリ構造を持たなくても良い。しかも不揮発性だ。これがあれば今、情報機器が抱えている色々な問題が一気に解決する。ゼロ年代当初は数年で実用化の目処が着くとかって話だったのに一向に見えてこない。
OpenDoc
文書を作るときこれはwordで作るべきかExcelで作るべきか悩むときがある。データ処理をするときにExcelが良いのかRDBを使うべきか悩むときがある。またはwordとパワポで迷うときもある。これを解決するのがopendocだった筈だと俺は理解している。wordとExcelがその地位を確立してから十数年経つのにドラスティックな変化はない。来るべき変化はこれらの統合なのに全然進んでない。だから、オフィスアプリケーションを無料でリリースすることになるのだ。
燃料電池
モバイル機器において遅々として進まないのがバッテリー絡みの技術だ。リチウムイオンポリマー電池登場から10年以上経つ。技術的なブレイクスルーは殆どない。唯一あるとしたらエネループぐらいだ。バッテリー技術が向上していると思われているとしたらそれは違う。節電技術が向上しているのだ。次なるブレイクスルーは燃料電池だった筈だ。ゼロ年代の初期に我々は数年後、燃料電池によって数日間にわたって充電無しでガンガン使えるノートPCや携帯電話を手に入れることが出来ると信じていた。東芝は2004年中に製品化を目指すってプレスリリースしてたのに。してたのに。

一方、進んだって思えるのはGPS技術、有線、無線を問わず回線の高速化、それに伴う動画配信などの充実化かな。