成毛さんの「wiki」絡みの記事

wikiに寄附を! - 成毛眞ブログ

成毛さんのこの記事はwikipediawikiって連呼しちゃってるところが滑稽だけど、そこは置いといてちょっとビックリしたのがこの下りだ。

想像してみよう。いまから50年後。20歳の人は70歳だ。孫がいる年齢だ。その孫にいうのだ。「お爺さんはいまから50年前、wikiが6億円なくて困っていたときに世界中のみんなと寄付して存続させたのだ」と。

今から50年後、wikipediaがインターネット上の微動だにしないインフラとして君臨すると成毛さんは予想している。確かにそうなる可能性はあると思う。けど、振り返ってみよう。nifty-serveだって2chだって可能性はあったのだ。nifty-serveは消滅したし、2chは一部に有用な情報はあるかもしれないがほぼ掃きだめと化している。

2chとかとwikipediaを比較するのはちょっと乱暴かも知れないがwikipediaが50年後も有効なメディアであると確信する態度にはちと疑問だ。既にwikipediaに加筆するボランティアの数は減りつつあるらしい。いくら寄付を募っても今の地位から引きずり下ろされる可能性は充分にあるのだ。

変化の激しいネット界隈で10年間トップランナーであることは難しい。wikipediaは現在のところ間違いなく唯一無二なんだけどその地位が50年間維持されるとは考えづらいのだ。50年後はネット百科事典って枠組み自体が有効ではない可能性が高いと俺は考えている。

あと、誤用に関してもう一つ。俺に近しい人は耳タコの話かも知れないけど。
ウィキ - Wikipedia

ウィキ(Wiki)あるいはウィキウィキ(WikiWiki)とは、ウェブブラウザを利用してWebサーバ上のハイパーテキスト文書を書き換えるシステムの一種である。それらシステムに使われるソフトウェア自体や、システムを利用して作成された文書群全体を指してウィキと呼ぶこともある(「〜に関するウィキサイト」など。しばしばウィキペディアが「ウィキ」または「Wiki」と略されるが、「ウィキ」は以上のようなシステムの一般名であるため、厳密には混同が生ずる)。

wikipediawikiというシステムで構築された百科事典でありwikiと略すのはその原義から見れば正しくない。wikipediawikiって呼んでしまうことは他のwikiに対して失礼だ。ついでに言うとwikiは初期に確率したCMS=コンテンツ・マネージメント・システムであり、CMSがもたらした物は何かというとブログだ。wikiはブログの先祖とも言えなくもない。そんな偉大なwikiというシステムの存在を蔑ろにするこの誤用を俺は嫌っている。

成毛さんみたいな重要な人物が誤用を繰り返すのはその誤用を確定的にしてしまうと言う罪がある。

今、確認してみたんだけど当時噴飯物だったms-wordのキャッチコピーを思い出した。
「インターネットで最も使われているワープロはワードです」
このキャッチコピーは1996年頃であり、成毛さんがMSKKの社長に就任したのが1995年だ。もうちょっとエレガントに言葉を使って欲しいとか思った。