さよならi-drive

俺の自転車歴は結構長い。たしか30歳ぐらいの時にブリジストンMTBを買った。買ったのは自転車店ではなくてホームセンターみたいなところ。二台目はパナソニックでやっぱり同じようなところで買った。多分、この二台はルック車って奴だ。ルック車ってのはなんちゃってMTB。格好だけMTB風で中身はほぼママチャリって奴。それでも五万ぐらいはしたと思う。そのころも自転車に乗るのは結構楽しいって思ってたけど精々月に1〜2回乗る程度。運動不足の解消用だったけどたいした効果もなかっただろう。

3台目に買ったのがこいつだ。GTのi-driveだ。それまではホームセンター的な店で買ってたので自転車のサイズってのを考えてなかった。無理矢理サドルを持ち上げて乗っていた格好だ。かなり窮屈に乗っていたのだろう。この自転車からサイズを意識するようになる。

それと単に格好の問題でフルサス車が欲しかった。自転車屋で話をしてみたらフルサス車はペダリングロスがあるらしい。ペダルを踏み込む力をサスペンションが吸収してしまい推力に結びつかない。その中でもロスが少ないのはi-driveだって聞いた。サイズはLサイズで適合身長は178cm以上だったかな。俺の身長は184cm。Lサイズが必要な人は滅多にいませんよ、お客さんでもMで良いかもしれないって言われた。けど、体にあったサイズが大切だってどこかで聞いたのでLサイズを取り寄せた。ゆったり走るのだったら大きめが良いというのも聞いていたというのもある。

果たして届いた自転車に乗ってみて漕ぎやすいのにビックリした。今までは窮屈だったんだと言うことを改めて思わせてくれた。漕ぎやすいから今までよりは距離が伸びる。考えてみたら今までのルック車はほんの数キロしか乗っていなかったのではないか。i-driveに乗るようになってから10キロを超える距離を乗れるようになった。真夏の暑い日、ベイブリッジまで漕いだのは良い思い出になっている。それでも30キロぐらいの距離だけど。

i-driveを買ってから少しは自転車を漕ぐようにはなったけどそれでも毎日じゃないし、週に一回乗れればいい方。数ヶ月放置しっぱなしなんて事もあった。

決定的に俺を自転車好きにさせてくれたのは前のスペシャライズドのMTBだった。やっぱりi-driveはロスが少ないとはいえロスがあったのだ。スペシャライズドはi-driveよりも全然早くて楽だった。一方、i-driveはマンションの駐輪場でゆっくりと朽ちていった。

i-driveを朽ちさせてしまった反省から俺はスペシャライズドを早めに手放すことにした。今は義兄の元で活躍しているようだ。そしてi-driveは粗大ゴミになる。いつまでも置いておいても仕方ないし。

さようなら。楽しかったよ。