東国原総裁候補

東国原氏が知事候補として出てきたとき、俺はこんな奴を知事にしたらダメだって思った。そんな俺の予想は外れて今は名知事(名物知事?)として立派に機能している。じゃあ、自民党総裁としてはどうか、総理大臣としてはどうかっていうとやっぱダメだろう。彼は知事止まりだ。そんな俺の予想はやっぱり外れるかも知れないけど一応、ここに書いてみる。

何でダメかというと最重要課題だと言っている地方分権のビジョンが全く見えていないところだ。地方分権で宮崎を盛り立てるとか言う。そんなことが出来るのか。

財政力指数って数字がある。地方自治体がどれだけ自前で食っていけるかって数値だ。ちょっと古い数字で宮崎県は0.25。このときは全国と道府県でワースト7だった。最新の県のサイトを見ても0.29だ。この増加分が宮崎県の自助努力による物か財源と権限を委譲する三位一体改革に起因するのかちょっと判らないけどいずれにせよ低水準ではある。この程度の財力で地方分権が賄えるかっていうと甚だ疑問である。

さて、地方分権に必要な要は何か。財源と権限を受け止められる土壌は何かというと俺は二つあると思う。一つは道州制の導入。もう一つは市区町村の再編だ。

平成の大合併とやらで全国の市区町村は3232から1760と半減したらしい。それでも日本の人口を127百万人とすると一市区町村当たりの人口の平均は72千人となる。効率がいい状態とは思えない。民主党小沢一郎はこれを300にするべきだと言ってるらしい。300は俺が聞いた最も厳しい数字なので少し甘めに500とすれば一市区町村当たりの人口は254千人となる。このくらいが適切ではないかと思う。

シンプルで強い市区町村を実現させ、一方で道州制による行政区分を実現させる。この二本柱が無いと地方分権は成り立たないだろう。

宮崎県の現在の市町村は28だ。人口は113万人なので一市町村当たりの人口は四万人に留まる。これらの全てが首長を持ち議会を持ち教育委員会などの行政機関を持つ。随分と非効率的な話だ。この辺にメスを入れないと地方分権もへったくれもないと思う。さらなる合併をという言葉は彼のマニフェストの中にはない。

多分、地方分権って事になると地方自治体はさらに窮することになるはずだ。権限は自分たちに、財源は中央から持って来るというのは分権ではない。それは利権の収奪だ。財源を賄いその範囲で権限を振るうと言うことになれば地方自治体はいまよりとても小さな組織になる。

東国原知事地方分権を叫びながら自分たちが出来ることを充分に進めてこなかったように見える。そういう意味では知事としては優秀なのかも知れないが自民党という日本を代表する政党の総裁として支持できるか、或いは日本の総理大臣として支持できるかというと疑問である。かといって誰が支持できるの?って問われると俺は答えに困るわけだが。

それでも東国原総裁を望む声は少なからずありそうだ。現在、日本が抱えている閉塞状況が、日本国民に変化を望ませ、それが民主党の指示に繋がっている。何か変化が欲しい、それは何であっても良いから兎に角変化だという希望だ。それでも民主党を是としない層が東国原総裁を待望しているのではないか。

なんか、東国原批判形を取ったが、どちらかというと俺が考える地方分権の在り方についての話になってしまった気もする。

参考資料
東国原知事、元検事の河上氏に逆ギレ(動画)
全都道府県の主要財政指標
【因数分解】市町村ほぼ半減「平成の大合併」来春終結
民主・岡田氏「政権交代の可能性は50%」(市区町村数についての言及あり)
宮崎県市町村一覧
東国原英夫のマニフェスト