サザンオールスターズについて

id:tokyocatさんのコメント欄でもちょっと触れたのだけどサザンオールスターズに対する感想。というよりサザンという存在に関する感想。

30年という長い活動の中で2世代で聴かれているというこのバンド。どうかすると3世代で聴くケースもあるのだろう。

俺は音楽が好きだからこう思うのかも知れないけど親世代と違う物を聴くのは世代としてのアイデンティティみたいな意識は有った。親と違う時代の空気を親と違う感性で吸い込み、その結果違う音楽を聴く。または演る。

どんな世代であろうと、親世代から感じる、受け取る抑圧はある。今の若い世代の人にもあるに違いない。我々はその発露を音楽で行ったわけだが今はそれを用いないのだろう。結果的に親と同じ物を聴くことに違和感を感じない。それがサザンを永らえさせた理由の一つだ。

あと、tokyocatさんが言ってるように音楽の停滞がある。音楽の停滞は音楽という表現方法の問題と世の中の停滞という二つの側面があるだろう。サザンが活動した30年間、日本は大きな意味では停滞を続けている。

多感な時期に世の中の変化を受け止めた世代からは優れたミュージシャンである桑田佳祐とかを産み出した。その前の世代って言うと松任谷由美とか山下達郎とか坂本龍一とか細野晴臣とか。そういう世代を超えるミュージシャンがその後の世の中で輩出されているかっていうと疑問だ。それは個々のミュージシャンとしての才能や能力だけではなく受け手の能力や思い入れのあり方だ。

I AM YOUR SINGERって曲は既視感の塊のような曲だった。一聴したところ俺は新曲だと思わなかった。そう聞いてびっくりした。前からずっとあった曲のように感じた。それが何よりも変わらないでそこにあり続けている30年の証拠だ。