googleマップの「ストリートビュー」について

「ストリートビュー」のプライバシー問題、グーグルが方針説明

googleマップストリートビューが日本でも始まった。海外で同様のサービスが有ったのは知ってたけど日本で始まると、そして身近な光景をweb上で見ると改めて凄さとある種の違和感を感じる。

嘗てweb上にも「秘密の場所」というのがあったように思う。無断リンク禁止とかそんな言葉が残っているのはその名残だろう。自分とごく僅かな人間だけが共有しているような場所だ。そういう場所を持つ事の是非は別にして、あるにはあった。ところが何処にいてもgoogleや他のサーチエンジンが追いかけてくるようになった。全てが公の場所になってしまった。

それが嘗てのgoogleの破壊と創造だ。ある意味、プライベートな場所として使えるwebという場所の垣根を取り払ってしまった功績は大きい。けど破壊もあった。その破壊を好ましく思わない人にとってgoogleは悪だったかもしれない。けど、功績の方が全然でかいから目立たなかったように思う。俺が気がつかなかっただけかもだけど。

さて、googleストリートビューは新しい破壊と創造に繋がりそうだ。*1今まで可視な場所ではあったけどそれは限定的に可視であっただけで広く世界中に対しては不可視な場所という人が生活する物質空間の可視性を圧倒的に高めてしまった。ひっそりとしたweb空間があった過去を変えたときと同じように革新的可視化が始まったのだ。

ストリートビューが撮っている場所は基本的に公共の場所だ。公共の場所ではあるけど可視性が極端に低いため多くの人間の目に晒される事はなかった。晒されたとしてもごく限られた人にだけだ。それがこのような事になってしまうと今まで持っていた「ひっそりさ」が失われる。「ひっそりした場所である」という前提が壊れる。俺が感じる違和感はその辺だ。失われた「ひっそりさ」に変わる何かを我々は手に入れるのだけどそれが何だかまだ判らない。web空間がもの凄い事になったように大きな変化があるかもしれないし、すぐに飽きられて終わるのかもしれない。まだちょっと予想がつかないけど。

googleが目指しているのはバーチャルな地球を作る事かなとか思ってる。マクロ的な部分でgoogle earthがリアルタイムで雲の画像をかぶせる事が出来るようになった。これは宇宙に浮かんでいる地球がデスクトップに収まっているという感覚を得る事が出来る。それと同じように我々が生活している空間をデスクトップに納めるのがストリートビューかな。いずれ、他のアトリビュートを含め宇宙から眺める地球からストリートの隅々までシームレスに視点を移すようなインターフェースになっていくのではないかと。また、逆に銀河系をデスクトップに納めるような事になるかもしれないし。そういう凄い事のまだとば口なのだ。そこで何かが壊れるのはしょうがないかな、と個人的には思う。

参考
痛いニュース(ノ∀`):“「すげー」「やばすぎ」等の声” Googleマップ日本版に「ストリートビュー」機能 …いろんな所を360度見れます
Googleマップのストリートビューがやばい件:VIPPERな俺

*1:ある意味、google earthgoogle mapでそれは始まっていたんだけど一段階進んだという意味