小沢と自民のチキンレース

小沢と福田でもなくて、民主と自民でもなくて、小沢と自民って言った方がしっくりくるような。

何処かで読んだ話で民主党のインサイダーから漏れ聞いた小沢の戦略は下記のような内容だった。(真偽の程は不明)
民主党はとにかく正しかろうが間違えていようが自民党に反対する、反対し続ける。そうすると「ねじれ国会」の現状では政策運営が上手くいかなくなる。当然、自民党の支持率が落ちる。民主党の支持率も落ちるんだけど政権担当政党としての自民党の方が支持率の下落が大きい。そこで衆院選挙に持ち込めば民主が勝てる可能性が高くなる。

なるほど。これであれば数々の民主の不条理な政策は合点がいく。支持率の下落幅は自民の方が大きいというのもその通りだと思うし、実態もそれに沿って落ちている。勝負の分かれ目は衆院解散選挙になるかどうかってところだ。

小泉氏「今年は解散しないのが一番」

小泉純一郎元首相は12日夜、都内の日本料理屋で自民党大島理森国会対策委員長塩崎恭久官房長官らと懇談した。次期衆院選について「今年は解散しないのが1番。来年の主要国首脳会議(サミット)まで解散せず、任期まで精いっぱいやればいい」と強調。小泉内閣で導入を決めた後期高齢者医療制度に関しては「政府は説明が不十分だ」と指摘したという。小泉氏が呼びかけ、深谷隆司柳沢伯夫、伊藤公介各氏らも出席した。

それに対して自民が取るべき戦略は小泉が言うとおりだろう。自民が今の2/3の議席を手放す必要はない。やるとしたら解散じゃなくて内閣総辞職だ。今の議席を確保するためにはどんな批判にでも耐える筈だ。早めに総辞職して現在の下落した支持率を何とかする為に、人気が高い麻生とかを投入した方が良いという思いもあるのかも知れないけど今は替え時じゃない。内閣支持率は交替直後は高い物だ。多分、来年九月の任期満了まで自民は今の衆院を引っ張り、選挙直前2-3ヶ月前ぐらいに麻生を総理大臣に指名するのではないか。俺が自民党の立場だったらそう考える。

上記の小沢の戦略はお互いに支持率を下げ続けるチキンレースの方策だ。かっこよく言えば肉を切らせて骨を断つ。けど、肉を切らせたら短期決戦に持ち込まないとダメなわけで、この場合の短期決戦は衆院解散選挙だ。ところが、そのトリガーは現内閣が握っている。この難局を乗り切る秘策が小沢側にあるのか。その策が無いまま「肉を切り」続けているなら不毛な行為と言わざるを得ない。

俺は小沢一郎という政治家がわりと好きなんだけど「壊し屋」ってレッテルにも頷かざるを得ないのだ。今回の行動は民主党を壊すことになりかねない。小沢自身、それでも良いとか思ってるかも知れないけど。けど、与野党が同時に支持率を落とし続けるとしたらそれは政治不在と政治不信を招く。政治家小沢にとってはそこは真意じゃないだろう。壊すのが民主党だけではなくて日本の政治全体にならないことを望みたい。

尤も、日本の政治自体を壊してしまえ、っていうのが小沢の目論見であればそえはもうモンスターとしか言いようがないのだが。本当にそうならその先に何があるのかお説を拝聴したい。