民主党政権おもしれー

一連の八ッ場ダムを巡るやりとりも面白いんだけど岡田外務大臣が記者会見を解放したらしい。

岡田外相が記者会見を全メディアに開放 インターネットメディアの記者も参加!

今の政治家はマスコミと上手く付き合わないとならない。マスコミに阿ることなく良い関係が築けるというのが理想なんだけどなかなか旨く行かないようだ。マスコミに媚びている政治家がいるとは思いたくないがひとたび彼らの機嫌を損ねると集中砲火を浴びることになる。その彼らというのは特定のマスコミの特定の記者たちだ。大臣のお付きなんて若造が担当することが多いらしい。下手すると新入社員の仕事だ。そんな連中が日本の政治の重要な一翼を担っている。

今回の会見解放はそんな状況に風穴を開けることになるだろう。記者クラブのご機嫌を伺うという事の重要性が相対的に低くなる。それでも既存メディアは自社とのやりとりを流すだろうけど少しずつ緩和される筈だ。解放すると人数が増えてそれはそれで大臣らはご苦労様だけど淡々と応じている岡田大臣にも好感が持てた。

斯様なことを自民党がやってはいけない理由はそんなに多くない筈だ。下野している間に自民党内でも同様なコンセンサスを構築して欲しい。

さて、連日賑わしているダム問題。マスコミの報道は住民感情報道に偏りすぎだがダム建設の可否を判断するのは住民の生活をどうするかって事ではない。まず正しい判断をすること。正しい判断をした上で犠牲になる人がいるならその補償をどうするかというのは別問題。今まで惰性で「決まったことだから」で追認してきたことに対して風穴を開けたのは大きい。

政治の大きな役割の一つは富の再分配であると俺は考えている。日本の富の再分配システムは田中角栄が作った。税金を日本のインフラ構築のために使い、その過程で地方や企業に対する分配を行った。もうインフラはほぼ充分だろう。硬直化した分配システムを見直ししなくちゃならない。その先鞭として八ッ場ダムや川辺ダムは適切な選択だ。第二東名や外環道に関しても見直して良いのではないかと思う。

川辺側ダムに関する熊本県知事のテキストが美しいので紹介しておく。この知事は初めに反対ありきじゃなてフラットなところから結論を出している。こんな風に個々に見直していけば良いのだ。
川辺川ダムについて / 熊本県

そもそも治水とは、流域住民の生命・財産を守ることを目的としています。日本三大急流のひとつ球磨川は、時として猛威をふるい、そこに住む人たちの生命・財産を脅かすことのある川です。だからこそ治水が必要となります。そして、河川管理者である国は、その責任を全うするため、計画的に河川整備に取り組んでいます。このことは、まぎれもなく政治と行政が責任をもって果たすべきものです。

しかし、守るべきものはそれだけでしょうか。私たちは、「生命・財産を守る」というとき、財産を「個人の家や持ち物、公共の建物や設備」と捉えがちです。しかし、いろいろな方々からお話を伺ううちに、人吉・球磨地域に生きる人々にとっては、球磨川そのものが、かけがえのない財産であり、守るべき「宝」なのではないかと思うに至ったのです。

田中人吉市長も、先日の意見表明において、球磨川の近くで生まれ育ち、川に親しんできた者として、流域住民とともに、球磨川水系の自然環境再生に取り組み、川がもたらすすべての恩恵を、自分たち自身で一身に受けることができるように、そして子孫に球磨川という宝物を残せるようにしなければならない旨の決意を述べておられます。

そのような「球磨川という地域の宝を守りたい」という思いは、そこで生まれ育った者でしか理解できないような価値観かもしれません。全国一律の価値基準としての「生命・財産を守るためのダム建設」という命題とは相反するものです。

民主党政権の政策に対して全て支持できるわけではないけど硬直した様々なことを変えていけるのは小気味よいし面白い。そういう意味では政権交代して良かったと言えよう。