逆説の神、麻生太郎

今日、解散が決まるようで史上希に見る四面楚歌と言いたいところだけど日本の総理大臣って退陣の時はだいたいこんな感じで総スカンを食らうものだ。退陣時の風物詩ってところか。

そういう意味で言うとご多分に漏れず「麻生太郎が好き!」っていうと石を投げられそうなぐらい四方八方から嫌われているけどこの人が嫌われる理由ってのはいったい何だろう。

政治家たるもの、失政をしでかしたから批判される=嫌われるってのは判るんだけど、失政やスキャンダルが故に嫌われるってのがあまり思いつかない。

思いつくままに挙げてみると

  1. 定額給付金問題
  2. 相次ぐ閣僚辞任(筆頭は中川昭一
  3. 漢字誤読問題

失政らしい失政って言えば定額給付金に代表される景気対策のあり方だったと思うのだがここが非難されている様子は殆ど無い。閣僚辞任に関して言えば任命責任は免れ得ないものの安倍内閣の時のように庇ったあげく結局圧力に負けて辞任ってイメージも希薄だ。敢えて言えば漢字誤読問題で馬鹿にされたみたいなところが一番でかいのではないだろうか。要は嫌われ者のレッテルを貼られただけなのである。

打つ手打つ手がダメで失敗続きでそのあげく嫌われるってのだったらまだしも、何となく不満感が募って悪いことはすべておっかぶせて、何もかもが首相が悪いって決めつけて嫌われてる。

特に理由もなく神に縋ってさえいれば衆生が救われるみたなのは宗教にありがちな価値観であるが、麻生太郎は今、逆の意味で神なのかもしれない。特に理由もなく嫌ってさえいれば何となく救われた気分になれる。皮肉なのは対立する鳩山由紀夫が決して神なのではなく、逆説的な神である麻生から人心が離れた結果、支持されているに過ぎないって事だ。