事務次官連続「テロ」-役人に対するルサンチマン?

連続テロか? 元厚生事務次官宅で妻刺され重傷 - iza

はっきりとした統計があるわけではなく、俺の漠然とした印象なのだが、俺より上の世代-今の55歳から65歳ぐらいの人あたり、団塊世代全共闘世代あたりか。その世代というのは役人に対する恨みが強い。その世代の役人の人ってのとはあまり話したこと無いんだけど民間企業に勤めている人、大企業の人よりも経営者層や個人事業主とかの人にその傾向が強い。

俺の「役人」に対する漠然とした評価というのはバブル以前までは有効に機能していたんだろうなとか思う。それが上手くいかなくなってからは役人への風当たりがことさら強くなったように感じる。

その世代の人って言うのは働き盛りのあたりでバブル崩壊を体験して「こんな筈じゃなかった」未来を今生きてる人が多いのだろう。こんな筈じゃなかったという思いは何処かに対するルサンチマンとして吹き出る。この辺、大企業の人はあまり言わないのはバブル崩壊の波をまともに被らなかったせいだろう。大企業の人は高度成長期やバブルの恩恵を引き継ぎながら生きているような人が多い。一方、恨みを感じている人は、役人が楽をしてこの国を腐らせて自分はのうのうと天下ったりして良い思いをしている、とでも言いたげだ。

そういう思いは事実と言えば事実なんだろうけどそこだけに帰結させるのはなんか間違ってる。腐らせたのは役人じゃなくて、役人というシステム、一般的には官僚システムか。ここから脱却しなくてはいけなかったのにそれが遅れたと言う事だ*1。そして、官僚-役人の側はそのシステムを永らえさせようとするのは自助努力として当たり前のことで、永らえたのは政治を含めた官僚以外の側の敗北でしかない。俺はそんな風に感じている。

ところがルサンチマンは拭い去りがたくあるみたいでその表出が今回の連続テロ事件なのだろう。これが俺が上記で言ったぐらいの世代の仕業だったりしたら我が意を得たり、と俺はニンマリするだろう*2。けど、動機が俺が言うとおりのルサンチマンだったら犯人を特定するのが難しい。捕まらないかもしれない。

ところで相変わらず「テロ」の意味が拡大してる。この場合もテロと呼ぶには相応しくないと俺は感じる。テロ=怖いこと=怖いことは全てテロって感じか。確かにテロリズムの語源になったフランス語のテルールは恐怖そのものを示すわけなので本来の意味に戻った感じがしないでもない。だけど恐怖の概念を政治的な主張のために利用する事がテロリズムと呼ばれそれは19世紀から20世紀にわたって長く使われてきたわけだ。9.11以降、おかしくなっちゃった感がある。

*1:その脱却は今も継続中だ

*2:不謹慎