大統領選挙の熱狂

前から不思議に思っていたのだけど良い機会なので書いてみる。

日本人の政治家に対する視線ってのは上から目線だ。「ちょっくら民主党にやらせてみるか」みたいな物言いが通用しているけど新入社員にあまり重要ではない案件を任せるぐらいな感覚だろうか。そう言う比喩が出来るかどうか判らないけど日本人が為政者を選ぶときの姿勢はある意味軽い。相手を尊敬したりしない。

一方、アメリカのそれは対照的だ。支持者に対して圧倒的な尊敬と信頼を預けている人が多い。日本人は選挙前の演説に街頭を用いる。ところがアメリカではわざわざ会場を借り切って行う。日本でそんなことしても誰も来ないだろうに。けど、アメリカではそれが機能する。

多分、理性と分別のある人であれば政治家の全てを信じるなんて事は出来ないのではないのか。政治家は政治家なりの利害とロジックで動く。選挙はとても重要ではあるがそのパラメーターの一つに過ぎない。醒めている日本人の方が見識が高いように感じるのは身贔屓だろうか。

ただ、どっちが良いかというと一長一短があるのだろう。為政者を大統領をきちんと信頼してしまうアメリカはその指導力を発揮できる。国民にこき使われるような日本の政治家は何も出来ないし、そんなレッテルを諸外国から付与されてしまう。一方、指導者に心酔するあまりその横暴を許してしまうアメリカは戦争を起こす。日本はここしばらく戦争が起こせるような強い政治家は出現し得ないだろう。