日本民藝館

Nihon Mingeikan Homepage, Japan Folk Crafts Museum, 日本民藝館


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日本民藝館に行ってきた。目立たない美術館であり知らない人も多いと思う。俺もつい最近知った。今は「特別展 陶匠・濱田庄司−没後30年記念−」ってのがやってる。

浜田庄司民芸運動を始めた一人であり益子焼きを世に知らしめた人である。俺は益子焼きが好きなので浜田庄司のことはその作品の現物も含めて知っている。益子焼き好きの俺がその開祖であり特徴も益子焼きそのものである浜田の作品が嫌いな訳が無さそうなもんだけど、実は好きではない。決して嫌いではないのだがピンとこない。なんでそんなに持て囃されるのかが理解出来ていないでいる。それなのに浜田庄司展に赴いたのはもしかしたら好きになれるかも知れないって思いがあったからだ。好きな流れの中にある大家の作品に感じるところがないというのはもしかしたら損失なのではないか。

浜田の作品はやっぱりピンとこない。ただ、浜田庄司展と題している割には浜田作品が少ない。おかげで楽しむことが出来た。良かったのか悪かったのか。展示物ではないのだが建物が素晴らしかった。建物だけでも一見の価値あり。あと、調度品も素晴らしい。

民芸運動の主要メンバーの一人でありこの民藝館の同人としても名を連ねているバーナード・リーチは前から好きな作家だった。本物を見るのは今回が初めてだったかも。それらをいくつか見れたのは収穫だった。あと、始めて知ったのだけどスリップウェアってのがある。バーナード・リーチが日本の柳宗悦らに紹介したらしい。古いイギリスの工芸品らしいけどカッコイイ。ここに収蔵される意味がよく判る。なんか洋の東西を感じさせない美しさだ。

-Slipware-東西を超えて響き合う美の世界

こう云ふものを見てゐるとどこ迄も英國のいゝ性質が分る。だが美しいものは不思議である。英國的であり乍ら一方にどこ迄も普遍的な素質が出てゐるからである。支那のいゝもの日本のいゝもの等に交へてみて、矛盾がない。登り道は違ふが頂きでは皆おち逢つてゐる。地方的にいゝものは普遍的にもいゝ。此が分ればそれでいゝのだと思ふ。吾々は日本に活きようではないか。他の國々と頂上で逢ふ爲に。
「挿繪小解」柳宗悦

上記リンク先からスリップウェアのいくつかを見ることが出来る。今回の展示会ではそれらの現物を見ることが出来た。写真見ただけだと伝わらないかも知れない。現物はもっと美しい。


民藝館には自転車で行ったのだが丁度通り道に浜田庄司生誕の地ってのがあった。ここは良く通りかかるところなんだけど気がつかなかった。偶然の発見。

民藝館の門構え。

門の脇にあった水瓶。