サミット雑感をだらだらと

ipccのレポートを読んでもどうも地球温暖化の主犯が人為的二酸化炭素であるという説に俺は懐疑的だ。二酸化炭素を削減するという施策はどう考えても先進国に有利で新興国には不利だ。*1 オゾン層破壊の時も新興国は同じような論調でフロン撤廃に異を唱えた。けど、オゾンの時は科学的根拠が明確だったけど今回の事例は複雑すぎる。嘘だとも言い切れないけど本当とも言い切れない。

参考:
気象庁 | IPCC 第4次評価報告書
ややこしくも面白い環境問題の世界をあなたに
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とはいえ今後、百年のスパンで考えたとき、化石燃料に依存する経済構造は転換しなければならない。転換の時期は早い方が良い。化石燃料が枯渇してから考えはじめたのでは遅い。この経済構造を続ければ続けるほどそれに見合ったインフラが構築される。早く転換できればそれだけ痛みも少ないだろう。

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石油の枯渇はいつになるのかというのは諸説ある。概ね「今のペースで使い続けたら」って話になる。今、手を打たなければ新興国の勢いは石油の消費を加速させる筈だ。だから、「今のペースで使い続けたら」ってのは希望的観測に過ぎないって事になるのではないか。俺が小学生の頃、今から30年以上前、石油はあと30年で枯渇すると聞いた。その後、何回か枯渇する予想を聞いたけど何年経っても「あと30年」って数字が多かったような記憶がある。実際、まだ枯渇は来ていないし30年ってのも聞かなくなった。じゃあ、どれだけ持つのかって言われるとよく判らないとしか言いようがない。ちょっと古いデータだけどあと50年とか78年とかいやいやもっとだとか色々ある。

参考:
石油の寿命はどれだけか
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ちょっと前までは化石燃料が枯渇するぞってのが環境とか省エネルギーのキーワードだった。今は二酸化炭素に取って代わってる。いずれにせよ持続可能な社会への舵取であるのだから理由はどうでも良いか。

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今回の内容は意味があったのか無かったのか。サミットでの合意が条約レベルまで引き上げられないとなかなか自体は進展しないのではないか。そのレベルまで持って行くためには新興国が言うとおり先進国は85%の目標ってところまで踏み込んでも良かったかも。

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条約レベルまで引き上げないと温暖化防止ってスキームは精々10年ぐらいしか持たないのではないか。石油枯渇というスキームが忘れられているのと一緒だ。他の要素が出てくるのか。オゾン層破壊ってキーワードはウイーン条約があるからこそ現在も有効性を持っている。

参考:
オゾン層の保護のためのウィーン条約 - Wikipedia
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ところでサミットではチベットのことは話題に出なかったようだ。出さなくて良いのかねえ。出した方が良いのではないか。ダライラマとの会話は始まったようだが進展が見えないのだ。何か密約めいたものがあるのかもしれないけど。サルコジチベット問題に大した前進がないままオリンピック開会式出席を表明してしまった*2。多分、チベット問題というスキームはもう効力がないのかも知れない。同じように温暖化問題というスキームも一気にカタを付けなければ早晩忘れ去られる。

参考:
【洞爺湖サミット】チベット問題はどこへ (1/2ページ)
新華社がダライ・ラマの代表との対話内容を報道

*1:新興国の力を積極利用しようとしているアメリカにもやや不利

*2:サルコジチベット問題の賞味期限が終わったことを理解した上での措置ではないかと推察